top of page
検索

「鉄骨構造におけるスプライスプレートの基礎知識と施工方法」

  • 執筆者の写真: 美濃部 雅尚
    美濃部 雅尚
  • 2024年6月17日
  • 読了時間: 3分

目次

  • スプライスプレートの重要性と基本的な役割

  • スプライスプレートとは何か

  • 材質と板厚の種類

  • 高力ボルトの使用目的

  • 締め付け順序と方法

  • 高力ボルトの摩擦力と接合強度

  • 仮ボルトの役割

  • 締め付け時の注意点

  • 仮ボルト使用時の油分管理

  • フランジの穴位置

  • 穴ピッチの基本設定

  • 摩擦面処理の重要性

  • すべり係数の基準値

  • ドリルあけの方法

  • シャーレンチの使用方法

  • ボルトの長さと締め付け

  • 剛接合とピン接合の違い

  • それぞれの特徴と使用例

  • 赤さび状態の確保

  • 穴相互間隔の管理

  • フランジの穴位置設定

  • スプライスプレート使用の総括

  • 安全で耐久性のある構造を実現するために


鉄骨のスプライスプレートについての知識と解決策

鉄骨構造において、スプライスプレートは非常に重要な役割を果たします。スプライスプレートとは、主に鉄骨の継手部分に使用される板で、部材同士を接合するために用いられます。以下に、スプライスプレートに関する詳細な情報と、その使用における注意点を紹介します。


1. スプライスプレートの基本

スプライスプレートは、母材と同じ材質(通常はSS400)が使用され、板厚は6mmから25mmまでさまざまです。この板は、接合部分において高力ボルトや溶接によって固定されます。


2. 高力ボルトと接合方法

高力ボルトは、スプライスプレートを鉄骨部材に固定するために使用されます。これらのボルトは、締め付け時に摩擦力を発生させ、接合部分の強度を確保します。締め付け順序として、通常フランジは中央から端部に向かって、ウェブは上から下に向かって行われます。



3. 仮ボルトと締め付け

スプライスプレートを仮固定する際には、油分のない仮ボルトを使用します。これにより、摩擦面処理の効果が維持されます。仮ボルトの穴相互間隔は±1mm以内で、赤さび状態を確保することが重要です。


4. 穴位置とピッチ

フランジの穴位置は通常、縁から40mmの位置に設けられ、穴ピッチは60mmが基本です。これにより、均等な力がかかるように設計されています。


5. すべり係数

すべり係数は接合部の摩擦性能を表し、通常は0.45以上が求められます。これにより、接合部の信頼性が高まります。


6. 加工方法

スプライスプレートの穴はドリルであけられ、シャーレンチを使用して締め付けが行われます。ボルトの長さは、締め付け後にボルトが2山以上出るように設定されます。


7. 接合方法

鉄骨の接合には剛接合とピン接合があります。剛接合は高い剛性を持ち、構造の一体性を保つのに適しています。一方、ピン接合は柔軟性があり、地震時などに効果を発揮します。


まとめ

鉄骨構造におけるスプライスプレートの使用には、適切な材質と加工方法、そして確実な接合が求められます。高力ボルトの締め付け順序や摩擦面処理、穴位置の設定など、細かな注意点を守ることで、安全で耐久性のある構造を実現することができます。これらの知識を活用して、鉄骨構造の施工をより効果的に行いましょう。

 
 
 

最新記事

すべて表示
鉄骨階段の設計と施工:屋外・屋内設置の注意点

目次 はじめに 鉄骨階段の特徴とメリット 設置場所に応じたデザイン 屋外の鉄骨階段 室内の鉄骨階段 踏板と手摺の設計 取り付け方法と施工のポイント ジョイントの位置 溶接加工の注意点 デザインと費用のバランス 錆止めと亜鉛メッキ加工の重要性 商業施設などの大型建築物への適用...

 
 
 
鉄骨構造物の耐久性を守る!効果的な鉄骨塗装の方法と注意点

目次 はじめに 鉄骨塗装の重要性 鉄骨塗装の目的 使用する塗料と標準 錆止め塗料の種類 JIS K5674に基づく塗料 塗装作業の条件 作業中止の条件 環境条件の影響 塗装禁止箇所 高力ボルト摩擦接合部の摩擦面 コンクリートに埋め込まれる部分 組立によって肌合わせとなる部分...

 
 
 

Kommentare

Mit 0 von 5 Sternen bewertet.
Noch keine Ratings

Rating hinzufügen
bottom of page