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執筆者の写真美濃部 雅尚

「鉄骨構造におけるスプライスプレートの基礎知識と施工方法」

目次

  • スプライスプレートの重要性と基本的な役割

  • スプライスプレートとは何か

  • 材質と板厚の種類

  • 高力ボルトの使用目的

  • 締め付け順序と方法

  • 高力ボルトの摩擦力と接合強度

  • 仮ボルトの役割

  • 締め付け時の注意点

  • 仮ボルト使用時の油分管理

  • フランジの穴位置

  • 穴ピッチの基本設定

  • 摩擦面処理の重要性

  • すべり係数の基準値

  • ドリルあけの方法

  • シャーレンチの使用方法

  • ボルトの長さと締め付け

  • 剛接合とピン接合の違い

  • それぞれの特徴と使用例

  • 赤さび状態の確保

  • 穴相互間隔の管理

  • フランジの穴位置設定

  • スプライスプレート使用の総括

  • 安全で耐久性のある構造を実現するために


鉄骨のスプライスプレートについての知識と解決策

鉄骨構造において、スプライスプレートは非常に重要な役割を果たします。スプライスプレートとは、主に鉄骨の継手部分に使用される板で、部材同士を接合するために用いられます。以下に、スプライスプレートに関する詳細な情報と、その使用における注意点を紹介します。


1. スプライスプレートの基本

スプライスプレートは、母材と同じ材質(通常はSS400)が使用され、板厚は6mmから25mmまでさまざまです。この板は、接合部分において高力ボルトや溶接によって固定されます。


2. 高力ボルトと接合方法

高力ボルトは、スプライスプレートを鉄骨部材に固定するために使用されます。これらのボルトは、締め付け時に摩擦力を発生させ、接合部分の強度を確保します。締め付け順序として、通常フランジは中央から端部に向かって、ウェブは上から下に向かって行われます。



3. 仮ボルトと締め付け

スプライスプレートを仮固定する際には、油分のない仮ボルトを使用します。これにより、摩擦面処理の効果が維持されます。仮ボルトの穴相互間隔は±1mm以内で、赤さび状態を確保することが重要です。


4. 穴位置とピッチ

フランジの穴位置は通常、縁から40mmの位置に設けられ、穴ピッチは60mmが基本です。これにより、均等な力がかかるように設計されています。


5. すべり係数

すべり係数は接合部の摩擦性能を表し、通常は0.45以上が求められます。これにより、接合部の信頼性が高まります。


6. 加工方法

スプライスプレートの穴はドリルであけられ、シャーレンチを使用して締め付けが行われます。ボルトの長さは、締め付け後にボルトが2山以上出るように設定されます。


7. 接合方法

鉄骨の接合には剛接合とピン接合があります。剛接合は高い剛性を持ち、構造の一体性を保つのに適しています。一方、ピン接合は柔軟性があり、地震時などに効果を発揮します。


まとめ

鉄骨構造におけるスプライスプレートの使用には、適切な材質と加工方法、そして確実な接合が求められます。高力ボルトの締め付け順序や摩擦面処理、穴位置の設定など、細かな注意点を守ることで、安全で耐久性のある構造を実現することができます。これらの知識を活用して、鉄骨構造の施工をより効果的に行いましょう。

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